飛行機に乗るとつい目に留まるのが客室乗務員のスカーフ。
私が航空会社に勤めていた頃、ANAのCAはスカーフを胸ポケットに入れたりブラウスの衿ぐりに添わせるように結んだり、首に巻いたりしていました。
中でも一番多かった使い方が「首に巻く」方法です。
私は10年間乗務している中で、ある理由があってスカーフはほとんど首に巻いていました。
そもそも、どうしてCAの制服にはスカーフが付いているかご存知ですか?
今回は客室乗務員の制服にはなぜスカーフがあるのか、そしてスカーフを首に巻く意外な理由についてをお伝えします。
CAの制服にスカーフがある理由
CAの制服にはスカーフが付いていることがほとんどです。
国内航空会社に限らず外資系のエアラインでも、客室乗務員はスカーフを付けている場合がほとんどです。
※一部、格安航空会社のCAさん制服など、スカーフが支給されていこともあります。
そこには制服デザインやお洒落以外の理由も存在します。
CAのスカーフ、お洒落以外の理由
客室乗務員の役割は、サービス要員として飲み物や食事をお配りすることももちろんですが、一番大切な任務は保安要員としての役割です。
パイロットはもちろんのこと、CAとしてもお客様を安全に目的地までお送りすることが最大の使命であり、緊急時に備えて非常に厳しい訓練を日々重ねています。
そこでスカーフは緊急時に使用する目的も含まれています。
救護が必要な方に対して、骨折の手当てや怪我の保護に使うことができます。
その他にも何かを包んだり保温や防寒のための物として
また、何枚かつなぎ合わせてロープの役割として用いる等
スカーフはさまざまな用途に使うことができる万能選手となります。
スカーフはCAがどのようにつけても自由ではありますが
身につけない、忘れた、などということは絶対に認められない決まりとなっています。
CAのスカーフの巻き方に決まりはありません
CAが制服のスカーフを忘れずに身につけることは会社の決まりですが、全日空の場合スカーフの結び方などは個人の自由として認められています。
スカーフの付け方は首に直接巻くスタイルと、ブラウスの衿の下から巻く方法があります。
首に直接巻く方法が一番人気です。
首に巻くパターンにも色々あります
一番人気のスカーフの付け方は、首に直接巻く方法で、これは今も昔も変わらない王道スタイルといって良いでしょう。
首に巻くとひとくくりにいっても、その巻き方はみなさん好きなデザインがあり、多種多様です。
その中でもオーソドックスな形は、いわゆる「リボン結び」です。
簡単で時間をかけずにササッと巻くことができます。
私ものこのスタイルがほとんどでした。
リボン巻きでもリボンを顔の横に少しずらすパターンと、首の正面にリボンを持ってくるパターンがあります。
この少しの違いでも印象はガラッと変わってしまうため、CAはリボンの位置にもけっこう気を配っています。
次に多いのが「プリーツ巻き」です。
スカーフを屏風のように折りたたみ、プリーツ状にした状態で
首に結びます。
結んだ先がふわっと広がり、顔回りを華やかにしてくれるため
こちらのデザインも大人気です。
その他、首もとに結び目を垂らす「カウボーイ巻き」や折り方が少し複雑ですが薔薇の形となる「ローズ巻き」も人気です。
ローズ巻きは、プライベートのスカーフでもパーティシーンで楽しむことができます。
ちなみに以前の制服では、胸のポケットに飾る方も多くいましたが
今の制服ではNGのようです。
CAがスカーフを首に巻くのは美容のため
CAがスカーフを首にまく理由は「お洒落だから」、「巻き方のバリエーションが豊富でいろいろ楽しめるから」などいろいろありますが、以外な理由から首にまく客室乗務員が多いことも事実です。
小顔効果を狙う
CAは服務規定も厳しいことで有名です。
私が新人だった頃(すごく昔です・・・)、先輩たちがつけていた腕時計はカルティエやロレックスが一番多かったですが、今はみなさんノーブランドの地味めな時計をつけています。
あるとき、お客様より華美なものは止めましょう、という風潮が一気に広がったことも影響があったと考えられます(実際、派手な時計だ!とクレームが上ったこともありました)。
持ち物と同じようにヘアスタイルも厳しく、肩にかかった髪の毛は
まとめることが鉄則。
ご多分に漏れず、私もシ二ヨンでした。シ二ヨンって実は髪の毛をキュッとまとめるため顔まわりが寂しいのです。
小顔に見せたいという願望もあいまって、少しでもお顔を華やかにするために、首回りに大きなスカーフを巻く客室乗務員はたくさんいました。
首のしわ予防
機内はとても乾燥しています。そのため、水分補給は欠かせません。
CAは休憩時間に乾燥でパリパリになったお顔に化粧水ミストを吹き付けたりしてシワ予防をしています。
お顔と同様に首の乾燥も大敵です。
ほっておくといつの間にかシワだらけ・・・。
顔はお化粧できれいに隠すことができますが、
首は年齢を隠すことができないため、特に気をつかうべきパーツといってよいでしょう。
先輩CAから「保湿のためにも首にスカーフを巻くのが良いよ!」と教えられた私は、忠実にそれを守っていました。
おかげさまでしっかり首を乾燥から守ることができ、
首のしわに関してはあまり困ったことになっていません。
今でも、教えてくれた先輩に感謝です。
CAの制服スカーフの巻き方には、その人の個性が出るものです。
飛行機で食事や飲み物を受けとるとき、スカーフチェックも
旅の楽しみの一つに加えてみてください。
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