【ルールとマナー、モラル、エチケット】それぞれの違いって?

ビジネスマナー

マナー講師として研修やセミナーを行うと、よく質問されることの一つが「マナーとルールの違い」です。

同じじゃないの?と思う方がいるかもしれませんが、
マナーとルールはその意味合いが少し違います。

マナーやルールと似た言葉に「モラル」、「エチケット」があります。
こちらもはっきりと区別できる人は少ないでしょう。

コンプライアンスが叫ばれる中、企業の社員教育でもマナーやルールについての認識はこれまで以上に求められていて、意識の低下は会社の存続をも脅かす重要なテーマです。

そこで本記事では、マナーとルール、モラル、エチケットの違いについてご紹介します。

ルールとマナーの違い

ルールは文字通り規則のことで、社会や集団生活の中で誰もが守らなくてはならないものです。
ルールを破ったら罰則を伴ったり何らかのペナルティを課せられるものであり、自分の意思や希望に関わらず従うべき事柄といえるでしょう。

いっぽう、マナーは守らなかったとしても罰を受けることはありません。

マナーは、相手に不快な思いをさせないために振る舞う行為です。

例えば、ごみを置き去りにしたり並んでいる列に横入りをしたり、状況を考えないで不用意な発言をすることは、周囲の人や目の前の相手への気づかいに欠け、マナーのなっていない人と位置付けられます。

相手に嫌な思いをさせない、という気持ちの表れがマナーであり、良い人間関係を築くための第一歩といえます。

配慮ある振る舞いで周囲の人に気づかいの心を示すことは、結果的に自己評価を高め自身の品格を上げることにもつながるため、どんな時も忘れないことが大切です。

マナーの種類

マナーと一括りに行っても、シーン別にビジネスマナー、テーブルマナー、プロトコールマナーと種類を分けることができます。。
それぞれの特徴をおさえて身につけておくことは、品格ある大人の女性としてのたしなみといえるでしょう。

ビジネスマナー

ビジネスマナーは、その名の通り仕事をスムーズに進めるうえで欠かせないものです。

仕事の上司や仲間、同僚、取引先、クライアント様など、相手に対して不快な気持ちにさせないための気づかいがビジネスマナーの基本です。
具体的には、挨拶やお辞儀、身だしなみ、言葉づかいといった基本的な振る舞いから、名刺交換、電話応対、訪問や来客応対などを差します。

同じ内容の商談でも、ビジネスマナーを身につけている人とそうでない人では成果に大きな違いが生じることもあります。

社会人としては確実に身につけておきたいですね。

テーブルマナー

テーブルマナーとは、和食、洋食、中華などそれぞれの食文化を理解し、食事の際に使用するカトラリーや道具類を適切に使って、一緒にテーブルを囲む人々に不快感を与えないよう敬意を払うための作法です。

それは、ただ単にナイフとフォークを音を立てないで使うだけではなく、一緒に食事をする相手や周囲の人に不快な思いをさせないための心づかいといえます。

周りの人への気づかいある食事のふるまいは、相手に敬意を払うとともに自分自身も楽しく食事をいただき、気持ちよい時間空間を過ごすための大切なポイントです。

プロトコールマナー

プロトコールマナーは、国際儀礼であり世界基準のマナーといえます。もともとは国家間の公的な儀礼を指していましたが、今ではグローバルなマナーやエチケットの総称としても使用されます。

プロトコールマナーの考え方は次のような事柄です。

・席次の尊重
・序列
・異文化尊重
・レディーファースト
・返礼主義

こちらについては、掘り下げると長くなってしまうため
また改めてご紹介させてください。

エチケットとは

エチケットはマナーと考え方が似ています。
どちらも礼儀作法としての振る舞いですが、マナーは社会全般や集団社会において必要な礼儀作法であることに対し、エチケットは個別の相手に対する礼儀作法といえます。

エチケットは衛生面における礼儀を指すことが多く、守らない場合は不潔、だらしないと判断されてしまいます。

エチケットの例として

・身だしなみを整える
・寝ぐせを直す
・食後に歯をみがく
・風邪を引いた時にマスクをする

などが挙げられます。

どれも、社会的全般への配慮よりも対個人としての要素が強いことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

モラルとは

ルールが「規則」という意味に使われるように、モラルは「道徳、倫理」という意味で捉えることができます。
善悪の判断基準として振る舞うべき正しい行為を指しますが、時として無意識に表れる行動やしぐさがその人自身の印象として強く残り人間性が垣間見えることが大きな特徴です。

モラルは本人の経験や、取り巻く環境によって周囲とのズレが生じやすいため注意が必要です。

日常生活ではもちろんのこと、ビジネスシーンでもモラルは問題視されやすく、本人の資質として社会的な判断材料になるケースもあるため、日ごろから自分の考え方や行動を意識的に振り返り、世間一般からずれていないか確認することも大切です。

ルールとマナー、エチケット、モラルの具体例

ルールとマナーの違いやエチケット、モラルの意味は分かっても、
ピンとこない人もいるでしょう。

ここではカフェを例に具体的に見ていきましょう。

ルール・・・・コーヒー代を支払う
マナー・・・・店員さんに笑顔でありがとうと声をかける
       列に並ぶ
エチケット・・咳が出るからマスクをする
モラル・・・・混雑時は不必要に長居しない

ルールとマナーの違いや、エチケット、モラルの意味をきちんと知り品格あるふるまいを心がけると、人に好印象を与えるだけでなく、自分自身も幸せな気持ちで暮らせます。

言葉とその意味合いにそれぞれ違いはありますが、素敵な大人の女性としてどれも忘れてはならない大切な考え方です。

ルールとマナー、エチケット、モラルのそれぞれをわきまえ
仕事では有能なビジネスパーソンとして、
プライベートでは品格ある紳士・淑女として
毎日をより充実させましょう。



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